Next To Normal (National Theatre at Home)
ロンドンのウィンダムズ・シアターで2024年に収録された映像の配信。
ナショナル・シアターのプロダクションではないウエストエンドの大型ミュージカルが配信され、いつでも家で見られるというのは本当に珍しいので、かなり嬉しい。
ネクスト・トゥ・ノーマルは人気ミュージカルだし、今まで生の舞台を見たことがないけど興味があるという人には、この配信は必見だと思う。
このプロダクションは、少し演出が斬新なところがあって、圧倒的に支持された初演と比べてどちらが良いか、ファンの好みが分かれるくらいなので、初演のファンも見てみると面白いと思う。
観て、打ちのめされて、私に感想を教えてください。
配信映像はNational Theatre at Homeではサブスクか一本ずつレンタルができる。英語字幕あり。(BroadwayHDの配信はサブスクのみだったかと思う。地域によってはAmazon Primeでも配信されている)。YouTubeにも映像抜粋が複数上がっていて、キャストレコーディングも配信されているので、それで少し見てみて、全編通して見てみるか検討すると良い。
今回の配信はレアケースで、アメリカの放送局PBSのGreat Performancesという番組用に撮影・編集されたものが、National Theatre at Homeで配信された。
なので、他のNTLiveとは撮影クルーが異なるし、収録しながら映画館に生中継した映像ではなく、編集してからテレビ放送された映像である。
このミュージカル公演自体に対する私の感想は、2023年、2024年に観たときとあまり変わらないので、以下には映像で見て気がついたことを書く。
短い!
収録映像の時間を見ると、2時間18分しかない。記憶よりものすごく短い。
実際にインターバルが省略されているのと、場面転換部分がカットされているので少し短くなっているとは思う。(劇場で見た時は、俳優がキッチンカウンターを収納する時間とかがあったような記憶がある)
また、やはりこのミュージカルは古典的な「スター俳優が朗々と歌い上げるビッグナンバー」みたいなものが少ない。もちろん、「物語は進まないが途中で挟まれる群舞」の時間もない。一曲一曲が思いのほか短く、曲数、言葉数、展開が多い構成なので、体感ではもっと長かったような気がしたのだと思う。
カメラの主張が強い
普段のNTLiveよりも、カメラの自己主張が強い。
要所要所でカメラを切り替え、見せ場の俳優にぐっと寄る。カメラが「ここが見どころですよー」と教えてくれる。そして劇場で引きで見るような画面が少なく、カメラと俳優の距離感が近すぎて、テレビドラマのようだと思うところもあった。
普段のNTLiveも劇場での観客と視点とは異なる画角で見せられるが、もう少し劇場のライブ感が強く感じられるような気がする。
マイクの位置がひどい
俳優のおでこにマイクが付けられていて、目立ってちょっと良くない。もっと上手くやる方法はあるでしょう。
役者が上手い
みんな上手いが、特にミュージカル畑のメンツの歌が本当にうまい。
ダイアナ役のキャシー・リーヴィ(Frozenのエルサ)、医師役のトレヴァー・ディオン・ニコラス(Aladdinのジーニー)は、文句なしにめちゃくちゃ歌がうまい。劇場でも圧倒的だったが、映像でもやはりうまい。
ゲイブ役のジャック・ウルフは本作で鮮烈な印象を残し、今はブロードウェイHadestownのオルフェウス役で、アイドルのような人気を得ている。彼も映像でとても魅力的に捉えられていると思う。
ナタリー役のエレノア・ワージントン=コックスは、歌声も綺麗だが、映像で見ると表情にハッとさせられる瞬間が多かった。2025年は、ヤングヴィック、RSC、オールドヴィックと精力的に舞台に出演している。
父親役のジェイミー・パーカーは、ストレートプレイに定評があるが、ミュージカルでもその演技力を発揮して舞台にリアルさと重みを出す働きをしている。ちなみに彼も今またミュージカルInto The Woodsに出演中である
曲はもっと減らせる
先に曲数が多いと書いたが、2023年に初めて見てからずっと、このミュージカルは曲が多すぎるなと感じている。
今回映像で落ち着いて見て改めて、ゲイブは1曲(Aftershocks)、ナタリーもどこかで1-2曲減らした方が私は好きだろうなと思った。
全部を言葉で説明しすぎなのだ。
演劇では次のシーンになったら時間が結構経過していた、とか、ミュージカルの曲中に季節が変わった、くらいに飛躍しても許される。なので、それをもっとやって、言葉での説明と展開数を減らし、もっと一曲一曲を濃密にやって良いと思う。
(毎回の苦情なんだけど、一旦前の歌が落ち着いたな~と思ったら不穏なドラムが「ドゥンドゥン、ドゥドゥンドゥン♪」と鳴り出す展開をちょっと多用しすぎじゃないですか?)
一番言いたいこと
最後まで見てみんなで泣こう!
