現在、名古屋と大阪で上映中の松竹ブロードウェイシネマ『シー・ラヴズ・ミー』ですが、セットデザインが夢のように美しいです。
デザインは建築や舞台デザインを手がけるベテラン、デイヴィッド・ロックウェル。このセットデザインでトニー賞を受賞しています。
ミュージカルの舞台は1930年代のブダペスト。アール・ヌーヴォー調のデザインを採用しました。
アール・ヌーヴォーは、19世紀末から20世紀初頭にかけてブームになった、有機的な要素や曲線を多用する装飾様式です。1930年頃には、他ヨーロッパ各国ではアール・デコが流行しましたが、ブダペストではそうでもなかったようで、実際にブダペストの街では今もアール・ヌーヴォー様式の建築が鑑賞できます。
舞台となる香水店のファサードや店内の壁の装飾、階段の手すりや窓フレームのディテールには、曲線と直線を組み合わせた、優雅で繊細な模様を採用しています。舞台のフレームの曲線までアール・ヌーヴォー様式ですね。
セットは明るく華やかで、夢のような世界が広がっています。商品一つ一つのラベルまで再現するというこだわりようだそうで、舞台で演じる俳優の気分も盛り上げてくれそうです。
松竹ブロードウェイシネマ『シー・ラヴズ・ミー』-5/30, 名古屋・大阪で上映中
参照:She Loves Me (rockwellgroup) / What’s New With This Production of She Loves Me? “Everything,” Says Director Scott Ellis (Playbill)