ハノーファー国立歌劇場で2009-11年に上演された『ニーベルングの指環』の舞台デザインがめっちゃかっこいいです。
デザイナーはクラウス・グリュンベルク。
まずは『ヴァルキューレ』のデザインを観てください。
火を使うからってガソリンスタンド、しかもこの丸っこくてミニマルなピンクの可愛いデザインにしておいたうえで、ラストシーンのぞっとするような毒々しさ、超かっこよくないですか…
そして次の『ジークフリート』のデザイン。

天才か。
実際には、このひねりがどのように劇中で効いているのかは鑑賞してみないとわかりませんが、視覚的にはとても満足感のあるスタイリッシュな美術です。
ワーグナーの『ニーベルングの指環』は、四つのオペラ(『ラインの黄金』 『ヴァルキューレ』『ジークフリート』『神々の黄昏』)から成りますが、それぞれ独立した作品として上演されることもしばしばあります。上記のガソリンスタンド以外にも、ジークフリートがスーパーマンになっている場面やショーガール(ラインの乙女?)のイメージが共通して見受けられるので、このときは同じ演出家とデザイナーが、四作をひとつづきの世界観のなかで上演したようです。
デザイナーのグリュンベルクのホームページにはたくさん写真が掲載されているのですが、目を引くシーンデザインのオンパレードです。オペラは普段はあまり観ないのですが、やはり美術が大掛かりで凝っていて素晴らしいですね。
Source: Das Rheingold / Die Walküre / Siegfried / Die Götterdämmerung (Klaus Grünberg)