ロイヤルオペラハウスのドン・ジョヴァンニでビデオが大きく美術として扱われたことに関する記事(How Video Saved The Opera Star)が、5年前のものですが面白かったのでちょっとご紹介。
このドン・ジョヴァンニは人気のプロダクションのようで、今年も9月13日〜10月10日に再演予定、10日8日には映画館で中継上映予定です。(website)
上記の記事で紹介されている動画ふたつ、どちらもビデオがとってもかっこいいですよね!音楽と、セットに投影された映像が少しずつ変わっていく様子、俳優の配置が見事にマッチしています。
ビデオのデザインはルーク・ホールズ、美術デザインはエス・デヴリンです。この組み合わせは、最近ではロイヤルコートのBoys & Girls, ナショナル・シアターのThe Lehman Trilogyなど、コラボレーションが続いています。演劇以外では、V&AのSinging Treeが綺麗です。
ガーディアンの記事では、演出のカスパー・ホルテンが「モーツァルトがもし生きていたらビデオを使いたがっただろう」と語っていて、確かにそうかも、と思わされます。ビデオが大きく使われることで音楽がサウンドトラック化してしまうのではないか、照明など他の構成要素とバッティングするのではないか、という懸念も紹介されています。
他のビデオを使ったオペラ演出の例として挙げられている、サイモン・マクバーニーのThe Magic Flute(魔笛)、テリー・ギリアムのThe Damnation of Faust(ファウストの劫罰)も、短いトレイラーくらいしか見つけられませんでしたが、それぞれらしい演出が想像できてワクワクしますね。