Young Vicで上演中の『セールスマンの死』は、主人公のローマンとその家族をオールブラックキャストに、その他を白人キャストにしていることが特徴的です。
舞台上演までの経緯やキャスティングの意味することについて、演出家の二人ミランダ・クロムウェルとマリアン・エリオット、主演俳優ウェンデル・ピアースに、exeunt magazineがインタビューしています。面白い記事だったので簡単に紹介します。
アーサー・ミラー・エステートからマリアン・エリオットに、主演を黒人俳優で『セールスマンの死』をやらないか、と話がもちかけられたのがことの発端だったようです。そこからさらに推し進め、家族全員を黒人俳優にしたことで、「単なるカラーブラインドキャスティング」ではなく、より具体的な「戦後アメリカにおける黒人家族、特に黒人男性の苦悩と葛藤」が本プロダクションの解釈の焦点になったことがわかります。
また、オーガスト・ウィルソンのカラーブラインドキャスティングに関する有名な否定的発言(私は記事を読むまで知らなかったのですけれども…)が、記事の冒頭から取り上げられていますが、この発言を各人がどのように解釈し、評価しているかがポイントになっています。