以前も紹介したことがあるPalgrave MacmillanのTheatre Andシリーズから最近出版されたうちの一冊、Theatre And Death (Mark Robson, 2019)を読みました。
文化人類学的な死の捉え方に簡単に触れた後、演劇に死にまつわる用語や、芝居にはたくさんの死や死体が登場すること、生きた俳優が経験したことのない死をいかに演じるかということなどに触れつつ、様々な演劇の例を挙げていきます。
題材が死であるからこそ、生のことも強く意識するのでしょうか、思いのほか明るいトーンの入門書でした。
本書ではデビー・タッカー・グリーンのrandom(2008)について取り上げていますが、Theatre And Politics (Joe Kelleher, 2009)でより詳細に考察されているので、あわせて読んでみても良いかと思います。
同シリーズで、12月に出版されるTheatre And TranslationとTheatre And Knowledgeも楽しみです。