Our Lady of Kibeho

Our Lady of Kibeho (Theatre Royal Stratford East)

10/28/2019

作:Katori Hall 演出:James Dacre 作曲:Orlando Gough 美術:Jonathan Fensom 照明:Charles Balfour 音響:Claire Windsor

出演:Taz Munya, Pepter Lunkuse, Liyah Summers, Michelle Asante, Ery Nzaramba, Leo Wringer 他

感想

1980年代に、ルワンダ南西部の村キベホで起きた「キベホの聖母」と呼ばれる聖母マリアの出現を題材にした芝居である。女学校の学生がマリアのビジョンを見たと証言したのだが、特に彼女たちが見る惨事のビジョンが、1994年のルワンダ虐殺の予言なのではないかと言われている。この複数の証言は、2001年に地元の司教が奇跡と公認した。

舞台では、最初にマリアを見たと主張するAlphonsine Mumurekeを中心とした女学生たちと、教師、村人、聖職者らの信仰をめぐる葛藤が描かれる。彼女たちの主張する集団幻覚のようなものは、信仰心からくるものなのか、異端なのか、ただの演技なのではないのか…?ルワンダ虐殺を予感させるツチとフツの対立や村の閉鎖的な雰囲気も強調されている。インターバルを含めて2時間25分。

私は古典を観に行く機会が多いので、舞台設定も物語もとても新鮮だった。物語のドライブがあって良い。最初にマリアを見たと言った学生が受ける他の学生や教師からのいじめ、奇跡の認定のために行われるバチカンによる残酷行為、彼女たちをサポートし続けた教師がなぜ奇跡を否定するしかないのか、この芝居は葛藤だらけだ。村の人々が「彼らは何でも信じやすいから」と有力者に言われていて、隠さずに言えばそうなんだろうと思った私にも葛藤が生まれる。

美術がとても好ましい。古風なロイヤルシアターのインテリアの中に青々とした木々と土が現れるミスマッチが楽しい。明るく素朴な学校の校舎と打って変わって、心象風景を表現するような夜の場面では、真っ暗な中、舞台の奥行きを生かして配置された照明が順番についたり消えたりするのも印象的だった。ただ後半は、画像を背景に映す手法が多く用いられすぎだったと思う。事前にプロジェクターを使用する機会をある程度抑えておいた方が、フォトモンタージュ的なルワンダ虐殺のイメージがもっとインパクトがあっただろう。

俳優陣もよかった。特に女学生たちの歌を含む身体の使い方が生命感にあふれていて、死の予感が色濃い物語との対比が印象的だった。

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