King Lear (The Duke of York’s Theatre)
2018/9/19
演出:Jonathan Munby, 美術:Paul Wills, 照明デザイン:Oliver Fenwick
出演:Kirsty Bushell, Sinéad Cusack, Michael Matus, Danny Webb , James Corrigan, Anthony Howell, Lloyd Hutchinson, Claire Price, Daniel Rabin, Luke Thompson, Anita-Joy Uwajeh等
チチェスター・フェスティバル・シアターで2017年秋に上演されたイアン・マッケラン主演のリア王が、ロンドンで再演されたものを観劇した。この舞台が今年の4月に日本でもナショナル・シアター・ライブで上映されたが、そちらは未鑑賞。
短い感想
イアン・マッケランのリアとダニー・ウェッブのグロスターの二人のシーンが感動を誘う。失明したグロスターをエドガーが導くところも愛情が感じられて好きだ。
一番良いと思ったのは、ジェームズ・コリガン演じるエドマンドの造形で、見ていて面白かった。
リーガンが軽い態度ではしゃぐのも新鮮だった。拷問シーンを明るい残忍さで盛り上げてくれる。ここを深刻にやられると辛い。
とはいえ、グロスターのシーンは私はいつも目をそらしてしまうのだ。客の目に見える形で眼球をくり抜くわけはなく、俳優さんたちは忙しく血だらけメイクをグロスターに施しているとわかっているのに、あまりに残忍なシーンだと思うと見ていられない。
荒野の場面でエドガー役のルーク・トンプソンが出てきたときは、役者の雰囲気が役柄に対して健康的すぎないかと思ったのだが、最後にエドガーとオルバニーが悲劇の後の世界を率いていくのだと示されると、今までの血みどろ劇から一転、途端に端正で真面目そうな雰囲気がにじむ二人が際立ち、未来の明るさが感じられた。