La Cage Aux Folles (Regent’s Park Open Air Theatre)
8/23/2023
脚本:Harvey Fierstein 音楽、作詞:Jerry Herman 原作:Jean Poiret 演出:Tim Sheader 舞台美術:Colin Richmond 衣装:Ryan Dawson Laight 振付:Stephen Mear 出演:Carl Mullaney, Billy Carter, Ben Culleton, Sophie Pourret, Julie Jupp, John Owen-Jones, Jordan Lee Daviesほか
初めてのオープンエアシアターで、とても気持ちが良かった。客席の外はぐるりと食事できるスペースが広がっているので、早くから入場しておいてビールとピザで楽しんでおくのも良さそう。もちろん知っている曲はあったが、ラ・カージュ・オ・フォールの舞台をフルで見るのは初めて。この劇場の芸術監督を16年務めたティム・シェダーが演出する最後のプロダクションとのこと。
物語は、前半の丁寧な(そしてやや冗長な)話の積み上げに比べて、後半の展開が軽薄。根本的な解決にはなっていないのに、往年のミュージカルコメディらしい大団円で締めくくられてしまったな、という印象。前半の方がシリアスな雰囲気を保っていたように思うし、息子の結婚に喜ぶアルバンに、同席しないよう言われていることを打ち明けられないジョージのことを思うと胸が痛かった(ジャン・ミッシェル、お前が直接お願いすべきじゃないか?)。
俳優は、アルバン役のカール・ムレーニーがとても良かった。普段からキャバレーのホストをしているようだが、もうこの役以外をしているところを想像できないくらいぴったり。ジョージ役のビリー・カーターは、やや小柄でどこか気弱で可愛らしく、人の良さそうな雰囲気で共感しながら見ることができる(どのジョージもそうなのだろうか)。
ダンサーたちに多種多様な体型、年齢の俳優を揃えていて、La Cage Aux Follesが様々な人を受け入れる場所なのだということが示唆されている。同時に、彼らが同じ振付を踊っても揃いすぎないようになっていて、おそらくあえて、ややいい加減な雰囲気に仕上げている。”La Cage Aux Folles”で歌って踊って息が切れているのは、演技とリアルが入り混じったような感じでとても可笑しかった。
ライアン・ドーソン・レイトによる衣装は、ダンサーたちのやりすぎなコスチュームデザインも、楽屋ガウンのあでやかなデザインも素晴らしい。