Guys & Dolls

Guys & Dolls (Bridge Theatre)

8/22/2023

演出:Nicholas Hytner 振付:Arlene Phillips with James Cousins セット、衣装:Bunny Christie 出演:Owain Arthur, Andrew Richardson, Charlotte Scott, Marisha Wallaceほか


生の舞台を見にくる価値がここにある!と思わせる、生命力にあふれた舞台だった。ピカピカな舞台美術と衣装、大胆なアレンジの効いた音楽、エネルギッシュな振付で大満足。

ブリッジ・シアターお得意のイマーシブプロダクションで、ストールズは立ち見。開演前は完全にフラットな床から舞台がせりあがり、その上でパフォーマンスが行われる。舞台は複数の長方形を組み合わせた形で、それぞれのブロックが上がったり下がったり、俳優が出入りするたびに観客は前に出たり下がったり空いたスペースに移動したりしないといけない。安全を確保しながら観客を誘導するスタッフたちがかなり重要な働きを担っている。

私は最初にオケピの反対側あたりに立っていたが、10回以上は移動させられ、遠巻きに見ていたかと思えば足元から舞台が立ち上がって最前列になったりと忙しかった。ずっと立ち尽くすよりは動ける方が良いが、少し回数が多いといえば多いか。でもちょっと面倒なことを頼まれるのもイマーシブならではなので、嬉しい気もする。

私が見に行った時期のネイサン役はOwain Arthur、アンダースタディが3人(サラ・ブラウンがCharlotte Scott, ベニー・サウスストリートがRobbie McMillan, ブラニガン警部がSimon Anthony)で、以前から知っている俳優が出ていなかった。(気に入った俳優を見に行くタイプなので、私にしては珍しい。スウィングにJames Revellさんが出ていて、サヴォイのG&D以来で嬉しかった。)

アデレード役のマリーシャ・ウァレスがとっても魅力的で、歌も上手いディーヴァだった。ちゃんと笑いもバンバンとる。というか、ほとんど彼女が笑いをかっさらっている。客いじりも上手い。その相手役のネイサン、演じるオワイン・アーサーが可愛らしくコミカルで、このカップルの恋の行方が本筋かと思うほど引力があった。

スカイ役のアンドリュー・リチャードソンは、これがロンドンの舞台デビューのようだが、往年の銀幕スターのような雰囲気があり、踊りも上手い(男男で踊るとか聞いてないんですけど…)。サラ役のシャーロット・スコットも可愛らしくコミカルで申し分なかったが、こちらのカップルの物語はやや弱く、気がついたら恋が成就していてやや拍子抜けするほど。

ナイスリー・ナイスリー・ジョンソンの見せ場は本来Sit Down, You’re Rockin’ The Boatくらいだが、このプロダクションではインターバルにパフォーマンスの時間が設けられていて、ナイスリー役のセドリック・ニールとコーラスがクラブ風にアレンジされたG&Dの曲を聞かせてくれる。タップダンサーも出てきてめちゃくちゃ盛り上がる。

これ以外にもやはりダンス曲はずっと盛り上がっていて、舞台のギリギリまで使う群舞は、間近で見るとすごい迫力である。

フィナーレの浮かれた雰囲気のまま、最後は舞台が完全にフラットに戻り、演者と客が入り混じったダンスフロアと化す。最後までイマーシブプロダクションらしく楽しい演出であった。

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